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書籍のご案内「診断技術のための生体医用光学入門」山田幸生 先生

豊富な図版と丁寧な記述で解説するヘルスケアテックの入門書

赤い光と近赤外光を用いて、血中の酸素飽和度を極めて簡単に計測できるパルスオキシメータはコロナ禍でにわかに注目を集めた。
眼科では、近赤外光を用いるOCT(光干渉断層撮影装置)により網膜の診断技術が飛躍的に上昇した。
このように、主に近赤外光を用いた、さまざまな光医療機器が開発され、身体や脳機能の診断に役立てられている。
本書は、非侵襲という長所を持つ光を用いた診断技術のすばらしさと、それらの仕組みを豊富な図版とコラムを交えて平易な記述で解説する。

【読者対象】
 ・生体医用工学、光学を学ぶ学部生、大学院生
 ・光を利用する診断技術を用いる医師、医学生
 ・診療放射線技師とその養成校の学生
 ・言語聴覚士(ST)、作業療法士(OT)、理学療法士(PT)
 ・医療機器開発分野の技術者、研究者

【本書「はじめに」】
「手を光にかざすと指が赤くボーッと輝く」現象を科学的に解明し、それをヘルスケアテクノロジーに応用・展開するために、新しい診断装置やデバイスが開発されており、また開発されようとしています。近赤外線を用いた医学的診断技術の開発は、1970年代から活発に行われ、すでに広く利用されている技術もあれば近年開発された新しい技術、さらには開発途上の技術もあり、今後も急速な発展が期待されています。本書は、光を用いた診断技術の原理や実用化・装置開発の歴史を説明し、それらの臨床応用例を紹介します。また、これから広い臨床応用が期待される光を用いた診断技術についても説明・紹介します。説明はできるだけわかりやすく、専門家でなくても理解できるような記述を心がけています。

【目次】
第1章 赤く輝く指とヘルスケアテック
第2章 赤くボーッと輝くことの科学
第3章 血液の酸素を測るパルスオキシメータ
第4章 眼科で標準となった“OCT”
第5章 心も探れる近赤外分光法NIRS
第6章 NIRSの極限技術“光CT”
第7章 蛍光・生物発光を用いるヘルスケアテック
第8章 血液の流れを計測する光技術
第9章 光と超音波で血管網をイメージング
第10章 見果てぬ夢「光で非侵襲血糖値測定」

著者
 山田 幸生
 電気通信大学名誉教授、電気通信大学脳・医工学研究センター客員教授、
 東京大学大学院新領域創成科学研究科客員共同研究員
 1948年生まれ。東京工業大学理工学部機械工学科卒、同大大学院修了。
 1974年工業技術院機械技術研究所(現、産業技術総合研究所)バイオ
 メカニクス研究室長、基礎技術部長などを経て、2001年電気通信大学
 知能機械工学科教授、2013年東京理科大学大学院理工学研究科客員教授、
 東京工業大学フロンティア創造共同研究センター客員教授、
 日本大学工学部客員教授など歴任。
 科学技術長官賞研究業績賞、日本機械学会論文賞受賞。瑞宝小綬章。

【判型・頁】A5判・276頁
【定価】本体4,180円(税込)
【発行】2025年3月
   ISBN:ISBN978-4-13-062848-8

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更新日:2025/07/08